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上司ではない、利益が対立する「敵」を説得する!5つのタイプ別に解説します。

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意外と無かった、「利益が対立する相手」の説得術

仕事柄、利益が対立する相手との説得・交渉することが多いのですが、

意外とノウハウがネット上に蓄積されてない。


Google検索結果:説得 方法

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たとえば、上司を説得する方法、部下を説得する方法など...
確かに、必要。需要大でしょう。

でも、僕が仕事で直面してきた状況は違います。


説得相手は敵...上司とは話が違う

  • グループ会社が担当してきた範疇へ弊社が参入するために、説得する。
  • ある対象へ200万円を要求する相手に、100万円で受け入れるよう説得する。


どちらも、相手を"敵"だと思えるほど、"明確な利益対立"です。

こちらの提示に対して敵は、声を大にして「そんなん嫌じゃー!!!!」と反対します。

そんな胃のキリキリする状況下での説得術をフレームワーク化してみました。


あなたにもきっと"敵"は現れる

とはいえ、意外とどんな仕事でも、求められる場面があるのではないでしょうか。

たとえば、

  • 事務部門からはねられそうだけど、せっかく取れそうな案件なんだよな...
  • この仕事、隣のグループがやってくれないかな...


こんな経験は、どんな業種・職種であっても直面するでしょう。

是非、そんな場面で活用してみてください。


敵を説得するためのタイプ別フレームワーク

なぜ反対されるの?相手のタイプを特定する

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from Flickr / by Flederic C81


まず相手を説得するには、一度腰を落ち着けて策を練る時間を必ずつくりましょう。

その時、はじめに考え出すことは、「相手はなぜ反対するの?」という理由探しです。

この理由には、5種類あります。当然、複数の理由が合わさっている場合もあります。


  1. 「利益を奪われるのが嫌だ」
  2. 「事の全容を把握できていなくて怖い」
  3. 「あなたを信頼してない、嫌い」
  4. 「受け入れることで、周囲との関係性が悪くなる」
  5. 「そもそも受け入れる裁量権がない」

タイプ1:利益を奪われるのが嫌だ

たとえば、ある対象にこちらは100万円しか支払わないが、相手は200万円欲しいといった場合です。

一番多いタイプです。
このタイプには、以下の2ステップで"騙しましょう"。

こちらの正当性を主張する

こちらの意見が正しいことを、とにかく主張します。

これによって、多くの人は自分の意見の横暴さを感じて、要求のハードルを心のなかで下げます。

すべてをポジティブに言いかえる

相手にとって不利益となることをいう場合は、"ポジティブ"に言いかえます。

ネガティブ ○○という計算をしたところ、100万円に満たなかったので、最低額の100万円をお支払いします。

ポジティブ ○○という計算をしたのですが、80万円でしたので、何とか100万円まで引き上げてお支払いしますね。

これによって、多くの人はこちらの意見が自分の要求のハードルを越えるものだと錯覚します。


タイプ2:事の全容を把握できていなくて怖い

事が見えていないので、利益計算をしきれていないタイプです。

逆にいえば、全容を納得させて、恐怖心を取り除けばこちらの取引に乗ってくれるちょろいタイプでもあります。

とにかく説明してあげる

このタイプには、取引の内容とこちらの意見の根拠を説明してあげます。

こちらに不利益になる要素は、うまく隠す

すべてをありのままに教えてあげる必要はありません。

ただ、話が美味しすぎるとこちらを信用してくれません。

ちょうどいいバランスは、相手の得する話3つに対して、相手の損する話1つの割合です。

「モレなく」「ダブりなく」「分類化」して説明する

ロジカルシンキングにおいて、最もポピュラーな手法のひとつに"MECE(ミーシー)"というものがあります。


ミーシー(MECE)ってなに?いまさら聞けないビジネス用語の意味と使い方より引用

ミーシーを言い換えると、以下のように表現できます。

ある事柄を全体集合と考え、

トップダウンの視点から漏れもダブリもない部分集合に分けること


これにどんなメリットがあるかというと、"すべてを知った"という納得感を得られる。

悪い言い方をすれば、すべてを教えていなくても、"すべてを知った"と錯覚させることができます。

たとえば、今あなたが見ているこの記事内で、ぼくは敵のタイプを5種類に分けています。

そうすると、6種類目には頭がいかなくなるでしょう。


タイプ3:あなたを信頼してない、嫌い

このタイプには、説得にある程度の時間が必要です。

まずは、親近感を持たせましょう。

つづいて、信頼を獲得します。

隙あらば、相手の名前を呼ぶ

とっても小さいように見えて、ボディーブローのように効いてくる手法です。

何度も何度も名前を呼ばれることで、相手は「この人は私のこと気にかけてくれてるんだなー」と思います。

主語、目的語として、入れ込んでもよいですし(○○さんは~、○○さんに~)、

文頭の間投詞的に使ってもよいです(○○さん!)。

相手の立場になった話題を出す

親近感を得る基本は、「この人は私のこと気にかけてくれてるんだなー」と思わせることです。

どんな話題でもよいので、相手の立場になった話をします。

一番話しやすいのは、"相手の体験したことに対して感想を言う"ことです。

たとえば、「この前、階段から落ちちゃったって聞きました!大丈夫でした?痛かったでしょう...」

何でもすぐに対応する

相手からの頼まれごとや、何かしてあげなければいけないことがあった場合、すぐに対応して報告します。

新社会人は口を酸っぱくいわれることですが、やはりスピード感のある対応は信頼を得るにあたって、優良な方法です。

能力のアピールになるのと同時に、「あなたが一番なんですよ!」というアピールになります。

ウソをつく基準は善悪ではない。バレるかバレないかだ!

信頼を獲得するための最良の方法は、"恩を売ること"です。

でも、そうそう恩なんて売れないでしょう。恩を売れることを探す暇がなければ、それをこなしてあげる暇もありません。

だったら、ウソをつきましょう。

ウソをつくことで相手に不利益をもたらすものであれば、話は別ですが

そうでなければ、バレなければいいんです。

ウソをつくことで生じるのは、「相手から自分への感謝」だけなのですから。

一番よくつくウソは、「こんなに大変だったけど、あなたのためにやりましたよ」です。

信頼を得るには、能力のアピールと、「あなたが一番なんですよ!」というアピールが重要なんです。

嫌われてるなら、その原因の特定と対応を

身も蓋もないアドバイスです。

しかし、嫌われる状況なんてそうそうありません。

原因を考えて、しっかりと対策を練ってください。


タイプ4:受け入れることで、周囲との関係性が悪くなる

相手が法人の場合によくあります。

隣の部署との関係を維持できなくなるだとか、上司の信頼を損なうとかです。

相手が反対している理由をズバリ指摘する

相手がドキっとするくらい、はっきりと言いきります。

第三者からは見て、正当性のある理由であることなんてほとんどありませんので、

相手はこちらに引け目を感じるようになります。

相手の個人的な立場へ共感する

「自分も社会人なのでよくわかります」と相手の立場へ共感します。

これで、相手はこちらが味方になったと思い、気を許します。

相手の個人的な意見を聞く

気を許したところで、相手の個人的な意見を聞きます。

こちらの意見を援護してくれるはずです。

もし、ここで援護を得られない場合は、あらかじめこちらの正当性を説明しておきましょう。

こちらの正当性を主張して、相手の言い訳づくりに協力する

最後に、こちらの正当性を主張して、申し訳ないが相手の意見をとりえないことを認識させます。

相手がこちらの意見を受け入れることで危惧しているのは、周囲の人からの評価が下がることです。

正当性は、それに対抗する"言い訳"になりえます。

"言い訳"を教えてあげることで、こちらの意見を受け入れるハードルを下げさせます。


タイプ5:そもそも受け入れる裁量権がない

こちらも相手が法人の場合にあるものです。

このタイプへの対応は3ステップです。

相手のプライドを傷つけないように、相手を味方につけて、権利者に了解を取らせます。

相手に同情してもらう

まずは、こちらの正当性を主張します。

このとき、感情に訴えかけるように話します。

これで、相手に「確かにそのとおりだ」と思わせると同時に、こちらへ同情させます。

相手の個人的な意見を聞く

同情したところで、相手の個人的な意見を聞きます。

こちらの意見を援護してくれるはずです。

これで、相手はこちらの味方です。

少なくとも口だけは。

「ちょっと検討してみてください」

目の前の相手と話していても、話は前進しないので、権利者と相談する時間を与えます。

この際、「上司をだせ!」なんて決して言わないでください。

相手のプライドを傷つけて、権利者に取り合ってくれなくなるだけの愚行です。

脅して、相手の退路を断つ

口では、「あなたの言っていることはわかります...検討してみます。」と言っていてもぼくは信用しません。

権利者には、「相手はこういってるんですけど、ダメですよね?」とダメ押しをもらう可能性があるからです。

そこで、不調に終わった場合のデメリットを明確に提示します。

このデメリットは、相手を本当の味方にするだけでなく、相手が権利者と相談するときの材料になりえます。

こちらの正当性を主張して、交渉材料を与える

相手が権利者との相談に本気になったところで、もう一度正当性を主張して、

権利者と相談するときの材料を明示してあげます。


おわりに―「説得」と「交渉」は別物

よく「説得」と「交渉」という2つの言葉が混乱して使われていますが、実は別物です。

「説得」とは、一切譲る気のない話し合いです。

「交渉」とは、事前に協力可能割合(譲れる限度)を確認し、その範囲内での譲歩を前提とした話し合いです。

どちらがより難しいかというと、当然「説得」です。

何ごともまずは「説得」を試みてください。

「説得」と「交渉」で前準備が異なるので、「説得」が難しいと踏んで、あらかじめ「交渉」の前準備をしておくことは否定しません。

しかし、そんな案件だからこそ、説得できたときの他者評価も自己成長もひとしおなのです。


以上、「100人を相手に実践済み!「利益が対立する"敵"を説得する方法」を公開します。」でした。