「わかりやすい」講義・研修を実現するたった2つのコツ
「よい講義」は「おもしろい講義」ではない
塾講師のアルバイトや会社の社内資格の研修会など、たくさんの講義をしてきました。
ぼくの講義に、教室をにぎやかに沸き立たせる「おもしろさ」はありません。
しかし、満足度アンケートでは1位、社内資格テストの平均点数を80点から95点に引き上げました。
それができたのは、「おもしろい講義」はあくまで「よい講義」を行うための手段のひとつであり、
綿密な準備を行えば、「よい講義」を実現できると知っているからです。
「よい講義」とは、"知るべきこと"を"理解"できる講義
「よい講義」は様々なかたちで実現されていると思いますが、それらをひっくるめて定義すると2つの要素に分けられます。
- (受講者が)"知るべきこと"を
- (受講者が)"理解"できる講義
予備校の早稲田大受験生向け講義であれば、受験生が「早稲田大学に合格するために必要な知識」を「理解」できるのが最高の講義です。
それはたった2つの教え方で実現される
教え方1 最低限の必要事項だけを伝える
テキストに書いてある内容はすべて必要ですか?
テキストに書いてない内容で必要なものはありませんか?
あらかじめ、そういった事項をピックアップしておきましょう。
たまに、連想ゲームのようにして、「この話をしたから、これも話そうね」なんて講義をする人がいます。
愚かです。
その連想ゲームに目的はあるのでしょうか。ないのであれば、自分にとって"知るべきこと"を学びにきている受講生を混乱させるだけです。
そんな愚かな講師にならないために、3つの基準から必要事項をピックアップしてください。
テストを控える講義なら、テストの出題範囲
テストを控えるなら、当然伝えないと合格者ゼロなんてことに。
上司に激怒されます。
講義の目的
たとえば、ただ社内資格の取得者数を増やす目的なら、テスト範囲のみを伝えれば十分です。
たとえば、実務担当者の養成が目的なら、実務でよく出くわす内容を伝えましょう。
そうやって、講義の目的に照らして、必要事項を考えます。
個人的な意向
あなたの想いとして、「この講義を受ける者なら、これは知っておくべし!」というものがあるなら
それをしっかり伝えます。
それがあなたの熱意に代わり、またあなたオリジナル講義を生むのです。
教え方2 最短の時間で伝える
つまり、受講生を"飽きさせるな"ということ。
あなたがどんなに素晴らしい内容を講義で掲げても、受講生が寝てたら意味がありません。
受講生のレベルを把握する
たったこれだけで"飽きさせない"ことができます。
つまり、「受講生はわかってるはず」なんて勝手な思い込みで講義をドンドン進めると、受講生はついていけずに飽きます。
一方で、「受講生はきっとわかってないだろう」なんてムダな親切心を出して、なんでもかんでも具体例を出してみたり例題を出してみたり。
そんな愚かなことはしないでください。
そんなことしている暇があれば、ちゃんと"必要十分"な程度を考えてください。
一方で、もっとミクロな小手先のテクニックがいくらでも存在する部分です。
「教え方 コツ」なんて検索してみてください。
ただ、「受講生のレベルを把握する」だけで"飽きさせない"ことは可能です。
だまされたと思って、その一点に集中してください。
口下手をビハインドと思っているあなたへ
自分を口下手と思う人は、講義を苦手な仕事と思っているでしょう。
なので、当然のように入念な準備をします。
そして、ムダなことを話すことが苦手です。
必然と、「最低限の必要事項だけ」を「最短の時間」で伝えるようになります。
口下手の講師へ
苦手な仕事と逃げずに
勇気をもって受け入れましょう。
そして、しっかりと準備をしましょう。
きっとあなたの天職になります。
口下手であるぼくは、講義こそ天職だと思っています。
以上、「「わかりやすい」講義・研修を実現するたった2つのコツ」でした。